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『衆院解散総選挙』これだけ覚えておけば大丈夫!明日話したくなる基礎知識

2017年9月17日(日)、各種メディアにおいて、あるニュースが一斉に報道されました。

『解散総選挙』。

安倍晋三内閣総理大臣が、遂に『衆院解散』を決断し、『総選挙』へと突入するというニュースです。

内閣総理大臣の「専権事項」「伝家の宝刀」など、首相が持つ最も大きな権力行使の形の1つとされる「衆院解散」。

9月17日以降、各種メディアでは、連日関連ニュースについて報道がなされていますが、あなたはこの「解散」、しっかりと理解できていますか?誰かに「教えて」と言われたら、きちんと説明できるでしょうか?

有権者の方も未成年の方も、勉強中の学生さんも、今一度、おさらいしておきましょう。

この記事を最後まで読んでもらえれば、「衆院解散総選挙については、一通り説明ができる」、「今後ニュースでこの話題を耳にしても、状況が理解できる」というところまで到達できるということを目標とし、ポイントをまとめていきたいと思います。

「解散総選挙」というのは、今後何度も訪れることになる「政治的”イベント”」ですので、その都度このページを見れば「あ、そうだった、そうだった」と自分でも思い出すことが出来るよう、しっかりと要所を抑えておきたいと思いますので、是非参考にしてみてください。

あなたの生活にも大きく関わってくる「政治」、そして「選挙」。しっかりと理解して、今後の議論に活かしていきましょう。

それでは始めたいと思います。

明日から使える「解散総選挙って何?」に対する回答!これだけは押さえておこう

「衆院解散?」
「総選挙?」
「なにそれ、おいしいの?」

そんな方をはじめとして、「なんとなく意味は捉えているつもりでいるものの、”正確に”というと、実はあまりよく解っていない。」、「人に説明しろと言われれば難しい。」なんていう方も多いのではないのでしょうか。

ここではまず、「『衆院解散総選挙』とは何か」ということについてポイントを解説していきたいと思います。

まず、誰かに「『解散総選挙』って何?」と聞かれた時、一言で言うと、どのように回答すれば良いでしょうか。

そんな時は、こう答えましょう。(ここでの”誰か”は、小学生ぐらいの知識の人間であると仮定しましょう。つまり、政治についてほとんど何もよく解っていない、というレベルです。)

ポイントは3つ。

  1. 日本という国のルール「法律」を決める機関となる【立法府(りっぽうふ)】である【国会】には、【衆議院】と【参議院】という2つの院があり、それぞれにおいて、【定数(衆院:465議席、参院:242議席(2017年時点))】や、【任期(議員としての資格の有効期間)(衆院:4年、参院:6年)】などが異なり、衆議院にのみ、【解散】がある
  2. では一体いつ「解散」するのかというと、2つパターンがあり、1つは「内閣不信任決議案が可決される、あるいは内閣信任決議案が否決された時」(つまり、「今のリーダーにはついて行けない!」という意見が多数になった時)、もう1つは「内閣総理大臣が解散を決定した時(解散権の行使)」である。
  3. 解散するとどうなるのか。衆議院議員はその地位を失い(無職となり、一般人になる)、【衆議院議員総選挙】、つまり「解散総選挙」が行われる。ここで改めて全国において衆議院議員が選出され(選ばれ)、「衆議院」が再構成される。

解りましたか?

小学生にももっと解り易く、かなり強引ではあるものの、一言で表すとすれば、

「日本という国の決まりごとである”法律”を決めている人達というのは、皆選挙で選ばれていて、その一部の人について、その人達が言っていることが本当に正しいのかどうかを、国民(有権者)に改めて判断してもらうために行う選挙のこと」

という風に言えるでしょうか。(相当端折ってますが。)

正確には、「衆院解散」に伴う、「衆議院議員総選挙」ということになりますが、要は、唯一「解散」を決定できる時の首相が、「よし、解散だ!」と思えば解散になる、ということなのですが、仕組として「解散って何?」と聞かれた場合には、上記のような説明ができればある程度ポイントは抑えられていると思います。

【解散権】とは

「解散」を語る上で、欠かせないポイントがあります。

それが、「解散権」についてです。ここで少し、この「解散権」についても触れておきたいと思います。

「解散権」とは、読んで字のごとく、「解散」を実行する「権限」のことを指しますが、冒頭と、先程も少し触れましたように、この「衆院解散」というのは、内閣総理大臣しか決定することができません

正確には、日本国憲法において「衆議院の解散は、内閣の助言と承認により、天皇が行う国事行為の一つ」であると定められているのですが(日本国憲法第7条第3号)、

  1. 天皇は国政に関する機能を有しない(日本国憲法第4条第1項)
  2. 解散は内閣での承認が前提とされるが、内閣総理大臣は内閣を構成する国務大臣を任意に罷免する権限を持つ(日本国憲法第68条第2項)

という2点から、実質的に内閣総理大臣のみが解散を行うことができる、ということになっています。「解散権」を巡っては、これだけに関しても様々な議論があるため、ここでは省略しますが、特に重要なのは2点目です。

日本国憲法において、「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる」と定められており、過去に時の首相であった小泉純一郎が「首相の権力の最大の源泉は解散権と人事権」と語ったことにも象徴されるように、内閣総理大臣というのは人事権に関して強大な権力を有しています。

このことはつまり、極端な話をすれば、首相が解散を決断しさえすれば、反対する国務大臣を罷免(首に)し、賛成する大臣に兼務させる、または、自分が兼務することで、解散を実行することができてしまうということになるわけです。

こうした背景によって、「解散」は、内閣総理大臣の「専権事項」「伝家の宝刀」と言われているのですね。

解散の目的・大義名分|何のために解散するのか

本来、衆議院の解散というのは、重要法案や政権運営の方針などについて、その方向性が正しいかどうかということを国民に改めて問うために行われるものというのが、大きな目的として挙げられます。

つまり、事実上”伝家の宝刀”として、内閣総理大臣に解散権がある以上、首相となった人物が最も重要視する法案や内閣の運営方針等に反対意見が出たり、強い抵抗にあった際などに、有権者に対して自分(首相)の考えを進めていくべきかどうかということについて、改めて問うことができる場、ということになります。

最近では、2005年の小泉純一郎首相による「郵政解散」が、最も解り易い「政策を問う」選挙であったといえるでしょう。「郵政民営化」という大きな目玉政策を抱えていた当時の小泉首相は、各選挙区に、郵政民営化「賛成」の候補者を擁立(立候補させる)し、郵政民営化に賛成なのか反対なのかということを、国民の投票ではっきりさせようとしたのです。

一方で、時に、政権運営において、その後の国会運営をスムーズに行うためにも、政権与党は衆参両院において、過半数の議席を有している必要があり、衆議院では任期が4年と限定されている中において(放っておいても、任期満了で総選挙となってしまう)、最も議席が多く獲得できそうな(選挙に勝てそうな)タイミングで解散をしようとするというのが、もう一方の解散理由となり得るわけです。

つまり、時の首相や政権与党側が、今解散総選挙を実施すれば自分たちが大きく議席を確保することができると判断すれば、解散の大義名分(理由)は後付けにしてしまって、解散権を行使してしまった方が良いという決断をする場合がある、ということになります。

このように、解散の目的に関しては、常に同じというわけではありません。その時々の政治的思惑、時の首相の想い、政局の情勢などなど、さまざまな要素が絡み合った結果として、内閣総理大臣が判断するものということが解りますね。

【解散の歴史】『◯◯解散』覚えておくとうんちくになる話

先程、小泉首相時代の『郵政解散』について少し触れましたが、衆院解散には、その時の解散に至った原因や流れなどによって、その解散に名前がつけられることが慣例となっています。

歴史的に有名なものもいくつかありますので、これも一種のうんちくとして覚えておくと、誰かと解散について議論する際の話のネタとして使えるでしょう。ここでは有名な解散を2つ簡単にご紹介しておきたいと思います。

まず1つ目が、『バカヤロー解散』です。

これは、1953年、時の首相吉田茂に対する内閣不信任決議案が可決されて行われた衆議院議員総選挙になります。そもそもの発端は、吉田内閣の閣僚の一人が中小企業の倒産を容認するような発言や貧乏人をバカにしたような言葉で失言を繰り返し、大臣に対する不信任決議案が可決され、そのことを追求され続けていた吉田首相が野党議員に対して「バカヤロー」と言ってしまったことにあります。

野党の執拗な追求に、つい「バカヤロー」とボソッと言ってしまったのを野党側が聞き逃さず、その後解散に至ったために、「バカヤロー解散」と名付けられました。

そして2つ目が、『近いうち解散』です。

これは、2012年のことですので、記憶にある方も多いかもしれませんが、時の首相である野田佳彦が野党自民党党首であった安倍晋三との党首討論の中で、解散を明言したという珍しいケースです。

経緯としては、野田首相が「社会保障と税の一体改革」という政策を当時の内閣の重要政策課題に位置づけ、消費増税に向けて動こうとした際、党内の一部グループの反対派や野党の反対勢力の抵抗に会い、法案成立へ向けて自民・公明両党に強力を仰いだことに端を発します。この協力を要請した席上において野田首相は、「関連法案が成立すれば、『近いうちに』国民の信を問う」と発言し、自民・公明は「解散は近い」と期待しました。

このことから、その後においては、”近いうちに”解散総選挙になると捉えられるようになります。しかし、与党である民主党内では、それまでの約束を反故にするような発言や動きが相次ぎ、野党がこれに猛反発し、国会が機能停止状態に陥ります。

そうした流れを受けた中で、党首討論が行われ、野党第一党である自民党総裁、安倍晋三と野田首相が国会で対決しました。そこで、野田首相は「一票の格差是正と議員定数削減」という法案について国会での成立を条件に、初めて具体的に解散の日程を口にします。突然の解散についての明言に安倍自民党総裁も戸惑う中、「解散をします」と言い切った野田首相の発言により、解散が決定的となり、「近いうち解散」と名付けられました。

このように今振り返ると、「解散」へ向けた動きの中には様々な流れがあります。政局というのは、与党は常にその権力を保持しようと策を練りますし、野党は今すぐにでも政権をひっくり返して与党の座に座ろうとするのが常です。そうした政治的思惑の中で、時として予期せぬタイミングで解散に至ることもあります。しかし、見方を変えると解散の裏には数々のドラマが隠れています。

歴史的には様々な解散が存在しますが、今後も政局の流れを捉えながら「解散」についてその意義を考えてみると、その後の投票に対する自分の意見形成に影響が出てくるかもしれませんね。

まとめ

さて、今回は、「解散総選挙」「衆議院議員総選挙」について、その内容や意義、歴史といった角度から簡単におさらいをしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

そもそもの前提となる国会に関する知識について、一部詳細な説明を省いたりと、なるべく「解散」というもの自体にフォーカスし、解り易くまとめたつもりではありますが、逆にわかりづらい部分があったとすれば、併せて調べてみられることをおすすめします。

すでにこれらの基礎的な内容についてご存じの方は、記事の前半で早々に離脱されていることかと思いますが、ここでの内容(タイトル含む)に関心を持っていただいたあなたは、政治に関心を持ち始めた時期であったり、あらためて政治の仕組みについて学ぼうという考えのもと、知識を吸収されていることかと思います。

今後も是非そういった姿勢を大切にし、いつからでも遅くはありませんので、この国の将来を憂う国民の一人として、政治に感心を持ち、しっかりと監視の目を行き届かせていきましょう。

民主主義において、権力を暴走させないためには、有権者の厳しい目が絶対に必要不可欠です。北朝鮮リスクや少子高齢化といった、内外の暗いニュースばかりでなく、期待の持てる明るい社会を実現していくためにも、その土台を築いてもらうべく、将来を託すことができる優秀な国会議員を国会へ送り出しましょう。

それができるのは、唯一、あなたの一票です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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